いつも側に…
明日からの文化祭の準備の為、放課後も教室には何人かの生徒がいた。
「明日香。教室で泣いてたら目立っちゃうからさ、屋上行こ?」
若葉に促され、泣きながらも移動する。
秋も終わりに近付いている時期だけに、屋上に出ると風が冷たく感じる。
「ちょっと寒いね。」
私と若葉は苦笑いをした。
教室から屋上に来るまでにだんだん落ち着きを取り戻し、涙も流れなくなった。
「で、友季子なんだって?」
「うんとね、…純ちゃんの事が一年の頃から好きなんだって…。」
私はさっき友季子から聞いた事を全て話した。
友季子は私と純ちゃんが付き合っていると勘違いしていたらしい。
"毎朝一緒に登校してるでしょ?本当に付き合ってないの?"
真剣な、何かを訴える様な目で私を見つめていた友季子。
なのに頷く事しか出来なかった。
ちゃんと"付き合ってない"の意味に取ってくれたから良かったんだろうけど。
そして私と付き合っていないのなら、好きな子がいるのかどうか本人に聞いて欲しいと頼まれた。
"「私、文化祭の最中に頑張って告白しようと思ってるんだ。」"
そう言っていた。