いつも側に…

おばさんは、慣れた手つきで浴衣を着せていく。



「さすがプロねぇ」

なんて、横で見ていたママは感心している。



「じゃあ明日香ちゃん、こっちに座って?」


そして、浴衣姿になった私を今度はダイニングの椅子に誘導する。

それから大きなカバンを開けて、ブラシやらこてやら飾りやら、沢山取り出してにっこり微笑む。



「ヘアメイクも任せてね」


言われた通り椅子に座って、目の前に置かれた鏡越しにおばさんを見ると、なんだか楽しそう。


テーブルには、かんざしや大きなお花の飾りやヘアピンなんかが沢山置かれている。



「これ、全部持って来てくれたんですか?」


「そうよ。」



これまた慣れた手つきで私の髪を巻くおばさんは、やっぱり極上の笑顔で答える。

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