いつも側に…
「…だって、すごいいい匂いがするし……つい…。」
モゴモゴ言い訳するけど、恥ずかしくて純ちゃんの顔が見れない。
でも、俯く私の頭にぽんっと暖かい手がのった。
「俺も部活終わってから食べてないし、腹ぺこなんだ。花火まで時間あるから、先に腹ごしらえしよっか?」
純ちゃんらしい優しい台詞と、私の頭を撫でる優しい手。
単純な私は、それだけで嬉しくなって顔を上げる。
そして目が合った純ちゃんは、優しく微笑んでくれて。
私は幸せな気持ちで一杯になる。
「あのね、私、先にチョコバナナ食べたい!」
「はぁ?それってデザート…」
「いいの!」
呆れる純ちゃんの手を引いて、チョコバナナの店に向かう。
すると、純ちゃんは私に捕まれた手首を離して、ごく自然に――手を繋いでくれた。