いつも側に…
「明日香?」
純ちゃんは、俯く私の顔を覗き込む。
そして私の真っ赤な顔を見て、ほっとした様に言ったんだ。
「良かった。」
って。
「え?…良かった?」
「そう。手を繋ぐの嫌がられてなくて良かったって事。」
「!?そんな――」
嫌なわけないよって伝えようとしたら、繋いだ手を引きながら純ちゃんは歩き始める。
そして前を向いたままこっちを見ない。
だけどちらっと見えた横顔は、さっきよりも赤くて。
「…恥ずかしいのは俺も同じだけど、それでも明日香と手を繋ぎたいから。」
なんて、相変わらず前を向いたままだけど、嬉しい言葉をくれた。
ねぇ純ちゃん?
純ちゃんのおかげで、私の体が大変な事になってるよ。
飛び出しちゃいそうな位ドキドキうるさい心臓と、キュンキュンする胸と、体中の神経が集まったみたいになっている手。
「///…うん、私も。」
今のこの状態で、勇気を振り絞ってそう答えるのが精一杯だった。