いつも側に…


「いいな。なんだか、純ちゃんだけ大人になってくみたい。」



思った事を、ぽつりと呟いた。



だけど純ちゃんは、


「いいんだよ、明日香は成長しないで。」


なんて、わけの分からない事を言う。



「え〜〜?」


納得いかないから反抗しようとした時、



バチバチバチ―――

バリバリバリバリ――


と、連続で音が聞こえ始めた。



「ほら、ナイアガラ始まった!」


純ちゃんはそう言って、私の両肩を掴んで体の向きをかえ、花火の方に向けた。



「…すごい――綺麗。」




“ナイアガラ”と名前がつくだけあって、海岸を横一直線に並んだ花火が一斉に落下していく。
真っ青に綺麗に輝くその花火は、本当に大きな滝の様だった。


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