いつも側に…
綺麗なナイアガラに見とれていたら、いつの間にか、私の肩に乗っていたはずの純ちゃんの手は
――そっと私を抱きしめていた。
突然の事に驚いて、花火どころではなくなって、胸が締め付けられて苦しくて、ドキドキして――。
「――純……ちゃん?」
なんとか声を出したけど、意識し過ぎて体が硬直して振り返る事が出来ない。
そして、私の首の辺りで、両腕を組んだ体勢になっている純ちゃんは――囁く様に言ったんだ。
「……やっぱり、明日香にはこれ以上背は伸びないで欲しい。
俺は頑張って伸ばすから。
その方が、こうした時に……包み込んであげられる気がする。」
”包み込んであげられる”
純ちゃんの言葉に感動して、涙が零れそうになる。
だけど、なんて答えればいいか分からなくて、ただ小さく頷いた。
純ちゃん。
キュンキュンして、
ドキドキして、
私の体はおかしくなりそうだよ?
ねぇ純ちゃん。
もう、花火の音すら耳に入らない位、私の心臓はドキドキ煩いよ。