いつも側に…
「あの……ごめんね、純ちゃん。変な事言って。やっぱり気にしないで?」
恥ずかしそうに照れてる純ちゃんにそう告げると、純ちゃんは顔を上げて私の瞳を覗き込んでくる。
「不意打ち、嫌だった?」
「…え?」
「いや、さっき言ってたから。」
「ああ。…気にしないで。もういいの。」
純ちゃんに気を使わせない様に言ったのに、
「何がいいの?」
なんて更に突っ込みをしてくる。
だから渋々答えた。
「あの…ね、私ファーストキスだったから。なんか憧れ…みたいなのがあって。ちゃんと分かってからしたかった…って言うか、目くらい閉じたかったな…なんて。」
すると、純ちゃんはハニカミながら言ったんだ。
「じゃあ今度は、ちゃんと目を閉じて。」
って。
ドーン ドーン ドーン
相変わらず花火の音は大きくて、きっとこの瞬間も沢山の人を感動させているんだろうけど、私の耳には届かない。
私の両肩に手を置いて、ゆっくり純ちゃんの顔が近づいてくる。
それはまるでスローモーションのよう。
そして今度は自然に目を閉じて。
純ちゃんと唇を触れ合わせる。
夜空に輝く花火を無視して、長い時間をかけて、私達は何度もキスをした。