いつも側に…


反論出来なくて、口をパクパクさせていると



「純はさ、"明日香と付き合う事になりました"って、わざわざメールくれたんだよね――。修学旅行二日目の日に。
なのに、かわいい妹は兄に一言も報告無しで……。
兄ちゃんは悲しいなぁ。」



なんて、真っ赤な私をからかう様な口調で話す。



――ううう。


確かにまだ話して無かったけど。


「だってなんか恥ずかしいから、わざわざ自分から連絡して伝えるのも、嫌だったし。

だから今度お兄ちゃんが帰って来た時でいいかな?

って、考えてて――。」


しどろもどろになりながら言い訳をしてみる。




するとお兄ちゃんは、ニッコリ笑って言った。



「…そうかそうか。かわいい妹だし、許してやろう。……で?今日はどこに行きたい?」


私の頭を撫でながら、当たり前の様に尋ねてくる。



「…はい?どういう事?」


なんでお兄ちゃんに、どこに行きたいかを答えなくちゃならないの?


……なんだか嫌な予感。




「いやぁ。純がさ、一緒に行こうって言うからさ♪」






予感的中。


今日はデートのはずなのに……。


< 222 / 366 >

この作品をシェア

pagetop