いつも側に…
気が付けばもう12月。



「明日香、帰るぞ。」



ホームルームも終わった放課後。

純ちゃんは、いつまでもぼけっとしたまま席に座っている、私の頭を軽く叩く。

「どうした?」


静かな教室には、私と純ちゃん以外もう誰もいない。

「…みんな、帰るの早いね。」


私がそう呟くと、純ちゃんは軽くため息をついた。



「もうすぐ受験だからなぁ。みんな塾行ったり色々大変なんだろ。」


「……そっかぁ。」


「明日香は?ちゃんと勉強してないだろ?なんだか、毎日ぼけっとしてるし。」


そう言って、純ちゃんは私の顔を覗き込む。


一瞬ドキッとしたけど、慌てて目を逸らした。

< 254 / 366 >

この作品をシェア

pagetop