いつも側に…
胸がズキンズキン痛い。
足がガクガク震えてきて、立っていられなくて、その場に座り込んだ。
「……っ――」
涙がどんどん流れて来て、止まらない。
だから、気づかれない様に、声が出ないように、口を両手で押さえた。
「――じゃあ、田辺先輩頑張って下さい。」
「…ああ。」
下駄箱の方からそんな会話が微かに聞こえてきて、あの子の足音がグラウンドに向かって遠ざかって行く。
ジャージ姿だったから、部活の最中だったんだ。
でも、きっと純ちゃんを見かけて話し掛けに来て…。
なんとか声は出さずにいるけれど涙は止まってくれなくて。
もう、あの子の気配は感じないのに純ちゃんの側に行く事が出来ない。
だって嫌なの。
あの子、明らかに純ちゃんの事好きだよ?
なのに、そんな子と普通に会話しないで欲しい。
プレゼントなんて、受け取らないで欲しい。
頑張ってって――何の事?