いつも側に…
「さっきの…山田はサッカー部のマネージャーで、みんなに受験のお守りを買って来たから受け取ってくれって言ってたんだ。俺だけじゃなくて、サッカー部の三年全員…健太や佐野にも買ってあるって言うから、受け取った。」
「――」
「……明日香が嫌なら、返してくるよ?」
――嫌だよ。
嫌だけど、言えない。
言えないよ。
何も言えないから、黙って純ちゃんを見ていた。
すると、純ちゃんは困った顔をして頭をかき始める。
「――あのさ……お願いだから、泣かないで?泣くの反則だよ。どうしたらいいか分からなくなる。」