いつも側に…

「初めまして――。」


「明日香ちゃん、会えてとても嬉しいわ。望君の言ってた通り、お人形みたいに可愛らしいのね。」



「――あ……ありがとうございます。」



さらっと褒められてしまった。

お世辞だろうとは思っても、やけに恥ずかしくて、顔がどんどん赤くなってしまう。




「父さん達は?」

「あ…中にいるよ。」


「そっか、ありがと。――じゃあ雅(みやび)さん、どうぞ。」



お兄ちゃんはなんだかぎこちなく、それからとても照れ臭そうに、雅さんを家に招き入れた。



だけど雅さんは、お兄ちゃんに向かってニッコリ微笑むと

「お邪魔します。」

そう言ってお辞儀をして、とても自然な動作で靴を脱ぎ、揃える。


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