いつも側に…

私達家族だけ、何でいっぱいいっぱいなんだろ?


別に突然結婚――とか、そんなんじゃないのかも。




「ねぇママ。ケーキ、買えなくて良かったね?」


キッチンでお茶を入れるママの隣に行って、小声で話しかけた。



「そうかもね、ダブるところだったわね。」


「ママ、まだ緊張してる?」


ママの顔を覗き込みながら尋ねると、私の方を向いてニッコリ笑った。



「雅さん見たら、なんだか大丈夫みたい。……ママね、望の好みなんて全然知らないから、ギャルみたいな今時の娘が来たらどうしようってドキドキしちゃったの。」


「ぷっ!ギャル?」


「あら明日香、笑い事じゃないでしょ?突然、若い彼女を"妊娠させたから結婚したい"なんて言い出すかもしれないし……」


「ええ〜?!」




もう、ママったら面白い。

だけど確かに私も安心した。

実際、お兄ちゃんの歳なら大学生とか高校生なんかと付き合っててもおかしくない訳だし、"彼女が妊娠"とかも有り得る。


でも雅さん、明らかにお兄ちゃんより年上そうだし、しっかりしてそうだし。

今日はただ、挨拶に来ただけだろう。





なんて、ママと二人で笑い合っていたんだ。


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