いつも側に…

「あの、すみません、順番が違ってしまって…本当でしたら、お付き合いさせて頂いた時点で挨拶に来なければならないのに…」


それまで凛とした雰囲気だった雅さんが、申し訳なさそうに手をついて謝ってきた。



「…やだ!あの…雅さん、そんな…頭を上げて下さい?!」


ママはオロオロと動揺しつつも、雅さんの隣に移動して、頭を上げる様に促す。


「ですが、私は望さんの上司にあたる立場です。こんな――」

「雅さん!!」


声を荒げたのはお兄ちゃんで、雅さんの両肩を掴むと半ば強引に体を起こす。



「上司だからとか、関係ないんです。俺は、あなたと一緒に生きて行きたいんです。――だから、責任とか感じないで下さい。」




すごく真剣に、雅さんに訴えるお兄ちゃん。

今まで見たことが無い顔だった。




とても、カッコイイと思った。



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