いつも側に…

「私ね、明日香ちゃんと話してみたくて、ワクワクしてたのよ?」


二人で掛け布団にカバーをかけていた時、ふと思い出した様に雅さんが言った。


「え?お兄ちゃん、私の事何か言ってました?」


「ええ。可愛い妹に彼氏が出来たって。」


雅さんがクスクス笑いながら答えるから、なんだか恥ずかしい。



「お兄ちゃん…そんな事、話したんですか?」


「そんな事?とっても素敵じゃない。生まれた時からずっと側にいた二人が付き合うって、とても自然で……きっと運命なんだろうなぁって、私感動したの。すごく素敵よね、明日香ちゃんと純君。」



雅さんの言葉に、胸がギュウッと苦しくなった。



「…素敵…じゃないんです。」


私達はちっとも素敵じゃない。


あと三ヶ月もすれば、今みたいに側にいられない。


運命なんて、そんな素晴らしいものじゃないよ……。

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