いつも側に…


「…そうかなぁ。」


「…え?」



雅さんを見ると、とても優しい表情をして微笑んでいた。


「私が口を出すのも変だけど――明日香ちゃん、純君がどうしてその高校を選んだのか知ってる?」



「それは、美容師になるのが夢だから……。」



それ以外に理由なんてないじゃない?


「うん、それはそうなんだけどね……ちゃんとは知らないのね?私は、望君から聞いて感動しちゃったの。純君って凄いなぁって。」

「――…」


「確かに10代の恋愛って、真っすぐだし、のめり込むし、なかなか会えないなんて耐えられないって思うだろうけど。でも、純君はそれだけじゃないみたいよ?」


「どういう意味ですか?」

言われている事の意味が分からないよ。



すると、雅さんは首を横に傾げ、困った様な表情をする。



「私が、明日香ちゃんに伝える事ではないの。たまたま知ってるだけだし。――明日香ちゃんが、直接純君から聞くべきだと思う。」


< 304 / 366 >

この作品をシェア

pagetop