いつも側に…





「ねぇ純ちゃん……もう支度出来たの?」


「え!?何?」


自転車に乗っているせいか、声がきちんと届かないみたい。



「…だから――…」



寮に入る支度は出来たのかな?って聞きたかったけど、言葉を飲み込んだ。


出来てても、出来てなくても、来月には純ちゃんはいないから。



三年間、頑張ったら……。
分かってる。


だから、以前みたいな絶望感はないけど、正直寂しいんだ。




二人共黙ったまま自転車はどんどん進んで、気付けば近所の公園に着いた。



「…純ちゃん?家、帰らないの?ママ達お昼外食しようって言ってたよ?」



すると純ちゃんは柔く微笑む。


「…ちょっとだけ、話してこ?」


< 348 / 366 >

この作品をシェア

pagetop