いつも側に…
「ねぇ純ちゃん……もう支度出来たの?」
「え!?何?」
自転車に乗っているせいか、声がきちんと届かないみたい。
「…だから――…」
寮に入る支度は出来たのかな?って聞きたかったけど、言葉を飲み込んだ。
出来てても、出来てなくても、来月には純ちゃんはいないから。
三年間、頑張ったら……。
分かってる。
だから、以前みたいな絶望感はないけど、正直寂しいんだ。
二人共黙ったまま自転車はどんどん進んで、気付けば近所の公園に着いた。
「…純ちゃん?家、帰らないの?ママ達お昼外食しようって言ってたよ?」
すると純ちゃんは柔く微笑む。
「…ちょっとだけ、話してこ?」