いつも側に…


「お守り――…いつも持ってるから、財布の中に。」



――お守り。

修学旅行で純ちゃんが買ってくれた……。


"愛のちかい"


いつも持ってくれてるんだ。



「私も、私もいつもポーチに入れて持ってるよ!」



嬉しくて、純ちゃんの目を見て伝えた。


貰ったあの日以来、ずっと持ち歩いている。

大切な宝物。




「俺達、少しくらい離れても大丈夫だよな?明日香を信じていいよな?」



純ちゃんの私を見つめる瞳は切なげで、胸がギュッと締め付けられる。



「――…もちろん。純ちゃんだけだから。」


やっと言葉を絞り出すと、純ちゃんはいつもの柔らかい笑顔をくれる。


「……じゃあ、俺の事も信じて――。」


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