いつも側に…
「…大丈夫。金曜日の授業が終わったら、とりあえず戻ってくるから。」
「うん。待ってる。」
純ちゃんのカットソーの裾を掴みながら、小声で返事をする。
離したくない。
この手を離せば行ってしまう。
手にギュッと力を入れる。
そんな私を見て、純ちゃんは軽く息を吐き耳元で囁いた。
「この前の話…覚えてる?」
「……え?」
「…俺、もう制服も着ないし、地元じゃないから全然恥ずかしくないし。明日香がその気なら、今度帰る時までに買ってくるよ?」
「…え?何を――」
そこまで言いかけて、思い出す。
顔にかぁぁぁーーっと血が上る。
「――あ、あれ…」
口をパクパクしながら、焦って手を離す。
すると純ちゃんはにっこり笑って言った。
「楽しみにしてて?」