いつも側に…


「山口さん。今日さ、突然こんな事してごめん。」



「え?…こんな事って?」


「……………迎えに行ったりして。」



自転車に乗っているせいか、いまいち聞き取り難い。
それに、中村君の表情も見えなくて、どうして謝られているのか解らなかった。


「中村君?どうして謝るの?」



尋ねた私の声は聞こえなかったのか、中村君はそのまま話続けた。

私に聞こえる様に少し大きめの声で。



「昨日純に聞かれなかった?
"好きなやついるか?"って。
あれ、俺が聞いてくれって頼んだんだ。」



そう言えば聞かれた。

純ちゃんに好きな子がいないって事が嬉しくて、すっかり忘れてたけど。


あれ、中村君が頼んだの?



「今朝もさ、純が、山口さん乗せて来れないって言ってたから…。
話せるチャンスだと思って、勝手に家の前で待ってた。
びっくりさせてごめん。」



何?


………なんだか、まるで、告白でもされるみたい…?


胸がドキドキしてきて、言葉が出てこなかった…。



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