いつも側に…
その時、私は初めて彼の存在を知ったんだ。



「ほら、見て。田辺君が行ったから。」



友達に言われて見てみると、そこには、同級生の田辺君が男の子を起こしてあげている姿があった。

きっと「大丈夫?」とか声をかけているんだと思う。
田辺君はしゃがんで男の子の顔を覗き込む様にしていた。



その表情が、ちょうど私から見えた。とても、優しい顔で話しかけていた。



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