どんな時も隣にいたい

太陽と月

星が綺麗だと言われるようになったのはいつの時代だろう。

自分の小ささを自覚させる星が私は苦手だった。

「月が綺麗ですね」。私は、あなたが好きですという意味で使われるこの言葉。
新月も三日月も、月は変わらずあり続けるのに、なぜ満月に告白をするのだろう。ずっとそう思ってた。

あなたに告白されるまでは……

「月が綺麗ですね。まるで僕みたいだ。僕とこの先ずっと満月を見てくれませんか?」
「自分が綺麗だってことですか?」
「違うよ。月は太陽がないと輝けない。満月は太陽の力を一番借りてる日だ。僕はあなたがいないと生きていけない。あなたがいてくれたから、僕は部長として部を存続できた。あなたは僕の太陽だ。これから先も僕と一緒に月を見て欲しい。僕のとなりで、ずっと輝いてて欲しい。僕はあなたが好きです。付き合ってください。」

満月を見て、あなたは月のように美しいではなくて、太陽のようだという感想を持つ人は初めてだ。
あぁ、この人は、どこへ行っても人とは違う視点を持つのだろう。そう思った。当たり前だと思っていたものに、この人はどう感じるんだろう。どんな考えをするんだろう。好意ではなく、好奇心が勝った。

だから私は……

「新月も三日月も、月は綺麗ですよ。満月は私が力を貸して、新月の時は私の近くに寄り添っていてください。」

星が一番見やすい新月の時も、この人と一緒にいようと思う。
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