まるごと大好き!
 それから数日後。
 なぜあんな事件が起きたのかが明らかになった。
 あの不良たちが言うには、

「変なメッセが送られてきた」
「そのメッセには、真岡の妹について書かれていた」
「真岡と木城に復讐するチャンスだと思って……」
「真岡の妹を誘拐して、工場近くの倉庫に閉じこめた」

 ということだった。
 だけど、芽衣里ちゃんのスマホにはGPSがつけられていた。

「小学生のとき、勘違いで誘拐されてからスマホにGPSつけてもらってるの」
「電源は切られちゃったから、ちょっとあせったけど」
「友だちが、私が連れていかれるとこを見てたの」

 芽衣里ちゃんの友だちは、静波の後輩でもあった。
 1年生のとき、「生徒会の先輩として色々と教えていた」と静波は言っていた。

「〝めいちゃんを助けてください〟って連絡がきてね、かなえにも話して、一緒に誘拐現場まで行ったの」
「そこで、真岡くんのお母さんに会って……」

 廻のお母さんは、芽衣里ちゃんの帰りが遅いことやGPSで居場所がわからないことから心配になって、あちこち探しまわっていた。

「おばさん、GPSが反応しないかってずっとスマホ見てたんだけど……私たちと会ってすぐに反応したんだ」

 最初に送られた、あの写真だ。
 あの写真を送るために、芽衣里ちゃんのスマホに電源を入れた。それで居場所がバレた。
 わかってしまえばどうということはない。理屈は単純だ。
 それから廻のお母さんは、刑事の雪実さんに連絡した。
 ここで警察に全て任せてしまえばいい──と普通の人なら思うだろう。
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