まるごと大好き!
 彼女は一階までセミロングのハーフテールを揺らしながら降りると、女子トイレに駆けこんで顔を洗った。薄手のハンカチを押しあてると、苦しそうに一言。

「もう、どうしてあたし素直に好きだって言えないの……?」

 残された彼は彼で、自分の両手をじっと見ながらつぶやいた。

「こんな軽くじゃなくて、もっと真剣な感じで告白したいのに……!」
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