まるごと大好き!
「……じゃあ、私そろそろ学校に──」

 行かないと。
 そう言いかけた私の横に、白いワゴン車が停められた。
 スライド式のドアがガラッと開いて、レスラーがつけるような覆面をかぶった男たちが現れた。

「!」

 悲鳴をあげる隙もなく、私はワゴンに引きこまれる。
 頭から麻袋をかぶせられ、手は後ろに、足も縛られた。
 その間にドアは閉まって、ワゴン車は急発進した。
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