まるごと大好き!
 は? 退学?
 なにがどうして私が退学することになってるの?

「この子は息子の嫁になるから……早いほうがいいと思って……」
「……あー、もういい。カバン貸せ」

 受けとった男がガサゴソとカバンを探る音が聞こえる。
 私はそれを気にしてる余裕もなく、静かにパニックになっていた。
 結婚?
 だれが、だれと?
 私と、このお婆さんの息子が?
 ……神様、タチの悪い夢なら、今すぐに目を覚まさせてください。
 そう願っても、残念ながらこれは現実だった。
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