まるごと大好き!
「ケガしたお婆さんを助けたんです」
「お婆さん?」
「はい。家族が迎えにくるまで、静波ちゃんが一緒についてるからって」
「そう……。そのお婆さん、どんな人だった? 服装とか」
「ええと、上品そうな感じの人でした。服は……」
私は覚えてるだけのことを全て話した。クリーム色のセーターに、くすんだオレンジ色のロングスカートを着てたこと。足をケガしてたこと。それから……。
「それから……犬を連れてました。小型犬」
「犬?」
先生がハッとした顔になった。
「その犬、リリーって名前じゃない?」
「え! あ、そうです!」
たしかにあのお婆さんは「リリー」と呼んで追いかけてた。でもどうして先生が知ってるの?
混乱する私をよそに、三津野先生は「ありがとう、もう大丈夫」と無理に笑ってみせた。
……これ以上はもう聞けないだろう。
私はどこかに電話をかけている三津野先生を横目に、担任の先生から日誌をもらって自分の教室までとぼとぼ歩いた。こういうときに、静波ちゃんと同じクラスじゃないって不安だ。
静波ちゃんのことを考えながら、席に座って日誌に今日の日付けを書いた。
「お婆さん?」
「はい。家族が迎えにくるまで、静波ちゃんが一緒についてるからって」
「そう……。そのお婆さん、どんな人だった? 服装とか」
「ええと、上品そうな感じの人でした。服は……」
私は覚えてるだけのことを全て話した。クリーム色のセーターに、くすんだオレンジ色のロングスカートを着てたこと。足をケガしてたこと。それから……。
「それから……犬を連れてました。小型犬」
「犬?」
先生がハッとした顔になった。
「その犬、リリーって名前じゃない?」
「え! あ、そうです!」
たしかにあのお婆さんは「リリー」と呼んで追いかけてた。でもどうして先生が知ってるの?
混乱する私をよそに、三津野先生は「ありがとう、もう大丈夫」と無理に笑ってみせた。
……これ以上はもう聞けないだろう。
私はどこかに電話をかけている三津野先生を横目に、担任の先生から日誌をもらって自分の教室までとぼとぼ歩いた。こういうときに、静波ちゃんと同じクラスじゃないって不安だ。
静波ちゃんのことを考えながら、席に座って日誌に今日の日付けを書いた。