危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
☆暴かれた謎


 それから数日経ったある日。

「宝来すみれさんですか」

 仕事帰りに街で突然声をかけられ驚いた。見ると先日蓮の部屋に来た女性がいた。警戒していると、すみれの心を読んだかのように、

「蓮の姉です。と言っても、血は繋がっていないんだけれど」

 血が繋がっていないという言葉に、色々察してしまう。やっぱりただの姉弟の関係ではない。女の勘だった。

 ──この人は蓮のことが好きなんだ。

 ぎこちない笑みを浮かべたその顔には、隠し切れない疲れと苦悩が浮かんでいた。

「突然ごめんなさい。どこかで少し話がしたいの。できれば静かなところで」
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