危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
それはもう完璧な拒絶だった。つけいる隙の一切ないすみれからの別れは、蓮から感情を奪い去った。
傲慢にも、自分の正体がわかってもすみれの愛情は変わらないと心のどこかで信じていた。それが幻だったと知る。
満たされいた心はすっかり空っぽになり、今度こそ全てを失った気がした。
三か月ほど家に籠って貯金を食いつぶす生活をしていた。一度麻美が様子を見にきたが蓮の様子を見て、絶句し、なにも言わなくなった。
女に振られたくらいで死にそうに憔悴している自分が信じられなかった。恋愛なんてくだらないと心のどこかで思っていた。
このまま野たれ死んだら、本当に笑いものだ。
一体全体どうして生きているのかさっぱりわからなかった。
過去に戻って両親と一緒に殺された方がマシだと何度か本気で思った。