危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 目を閉じると狭い部屋で身を寄せて、語り合ったなんてことない会話だとか、すみれの嬉しそうな顔だとかが思い出されて、その喪失に耐えられない。

 すみれが真実を知った時、どれほど傷つくか考えなかった罰だろう。自分で乗り越えなければいけない嵐に、すみれを巻き込んだ。
 どれほど悔いてもすみれが戻ることはない。それだけは確かだった。
 


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