この度、友達やめます。

〔何時にしていい?〕



お風呂からあがったら
水ノからメッセージがきてた



通話ってホントに何話すの?

ドキドキするじゃん



〔今いーよ〕



ブー…ブー…ブー…



返信したらすぐにきた



ブー…ブー…ブー…



「もし、もし…」



「あー、オレ」



「うん、わかってる」



「だよな
ごめん、オレ緊張してるわ」



「緊張?水ノ緊張すんの?なんで?」



そう言ったけど
私も緊張してた



「吉永と話すの久々だし…」



「うん…」



「さっきも人生で1番緊張したから…
やー、マジで…」



さっき…ってさっきのだよね?

カラオケの…



「水ノ、ガンバったんだ」



「かなり…
この先もないと思う
こんな頑張ること

でもマジで吉永のこと…
あー…なんでもない
コレ言うとまた緊張する」



水ノの言おうとしたことは
察しがいい私はなんとなくわかった

聞いたら私も緊張すると思うし
気まずくなるのヤダから突っ込んで聞かなかった



「さっき帰る時
吉永が好きそうな猫いた」



「へー…何色?」



「道路みたいな色」



「好きかも…」



「だろ!」



そぉこんなくだらないことを
水ノと通話してたっけ…



ヤダ、私

耳が熱い



好きって言っちゃったじゃん

猫だからね!



「で、本題なんだけど…」



「本題?」



とは?



もしかして
やっぱりさっきのなしって話?



「夏休みの計画立てよ」



「え?明日みんなで立てるよ」



「それは女子のだろ」



「うん
水ノも来たいの?」



「いや
その前にふたりの予定立てようと思って…」



「ふたりって?」



「オレと吉永だろ
え、大丈夫?」



「あ、そっか…
ファミレス?」



「前と変わんねーじゃん」



「うん、楽しいじゃん」



「楽しいけどさ
あ、彼女できたからハンバーグおごって」



ドキン…



彼女ってフレーズに反応してしまう



「そーだね
約束してたしいいよ」



「じゃあ明日」



「明日?
だから明日はみんなで…」



「それ終わるの待ってる
会いたいから…」



ドキン…



いちいちドキドキする



「え…うん…」



「吉永は?
夏休み行きたい所とか
したいことないの?」



「んー…」



まだ実感わかない

何していいかもわからない



「花火の日、空けといて
ふたりで行こう」



「あ、うん…」



「あと、海とか行く?」



「笹川たちも?」



「笹川たちと行きたいの?」



「え、そーゆーわけじゃないけど
笹川も海行くとか言ってたから…」



「とりあえず
ふたりの予定優先で!」



「うん…
そーゆーのってデート?
って言うの?」



「そーじゃね?」



デートとかよくわかんない

どこに行けばいんだろう


水ノは彼女いたから慣れてるよね



「あ!私、したいことあった!」



「なに?
急に大きい声出すな
心臓バクバクするし…」



私はさっきからドキドキしてる



「ごめん」



「で、なに?
ファミレス以外で行きたいとこあったの?」



「行きたいとこって言うか…したいこと…」



「うん、なに?」



「水ノと一緒に写真撮りたい」



「なんだ、そんなこと?」



「そんなこと…って…そんなこと?
だって水ノと今まで撮った写真
全部消しちゃったし…」



「うん、そーだな
ねぇ、吉永…」



「ん?なに?」



「や、なんもな…」



「さっきから何?水ノウザい」



「じゃー言うけど…
明日じゃなくて、今会いたいかも…」



ドキン…



返事の代わりに胸が鳴った


今のは、なんて答えれば…?



「今のもウザかった?」



水ノがそんなこと言うと思わなくて
驚いてる



「別に、ウザくないけど
もぉお風呂入ったし…」



別に付き合ってなかったら
あっそ…って話なんだろうけど



「尚更会いたい」



「ヘンタイ」



「じゃ、ビデオにしてい?」



「ヘンタイ」



「吉永は、会いたくないの?」



「え…」



「やっぱりオレのこと、好きじゃなかった?」



水ノ…

ドキドキする


そんな真剣に言わないでよ



「ん…好きじゃなくない」



恥ずかしすぎてとぼけて答えてみる



「は?どっちだよ」



逃げれないやつ



「ん…好きかも…」



「かも…って…
まぁいいや
明日は会える?」



「うん」



「いつものファミレスで待ってるから
終わったら来て」



「うん」



「じゃ…」



「あ、水ノ…」



「なに?」



「なんでもない」



「は?」



「さっき水ノが言おうとしたことと
たぶん同じ」



「は?意味わかんね」



「察しろ」



「じゃあ明日
ちゃんと来いよ」



「うん
水ノもね」



「行くに決まってんじゃん」



明日会う約束をしたのに
もう少し水ノの声が聞きたいなとか
思ってしまった



好きかも…

水ノのこと



や、かも…じゃなくて

好きだよ、水ノ



通話を切ってからも
耳に残る水ノの声



早く会いたいとか思ってしまう



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