この度、友達やめます。

会場裏の階段にふたりで座った



水ノの金髪が風になびいた



「水ノ、どっかの国の王子様みたい!」



「そぉ…?」



「外暑いね!
水ノに会うの久々だね
でもはじめて会う人みたい
はじめまして!」



「…」



水ノ?

疲れてるのかな?


ノリ悪い

私だけ喋ってる


私のテンションが高かったのかな?

水ノ、ひいた?



「ねぇ、写真撮ろうよ!
水ノ金髪記念!」



「…」



水ノ?

どーした?


水ノは
私に会いたくなかった?


私は毎日会いたくてね

やっと会えたから嬉しくて…



「水ノ、疲れたよね
私の代わりにありがとう
毎日夜遅かったみたいだね」



「…」



水ノ
なんか言ってよ



「私、なんか飲み物買ってくるよ
水ノ何がいい?」



「…」



「水ノ?」



「…」



「水ノ、どーした?
顔見せて…
久しぶりだから、ちゃんと顔見たい」



今日、水ノずっと下見てる

メイクしてるから恥ずかしいのかな?


違うよね?



「水ノ…?」



水ノを覗き込んだら
金髪の前髪の隙間から目が合った



今日、初めてちゃんと目が合った



ドキン…



水ノに久しぶりに会った

すごく会いたかった

早く会いたかった



やっぱり

好きだな…って…



水ノの唇に触れたくなった



ーーー



ドキン…



「水ノ…好きだよ…」



「ごめん…吉永…別れよう…」



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