この度、友達やめます。

「3年になったら
オレたち同じクラスかな?」



いつものファミレスで
何も知らない水ノが言った



「同じクラスがいい?」



「んー…
まぁ同じクラスじゃなくても
喋んない日ないもんな」



「じゃ…
同じクラスじゃなくてもいいってことね」



「けど…
同じクラスだったら
わざわざ教室移動しなくても
いつでも吉永と喋れるけどね」



水ノ、わざわざ来てたんだ



「授業中、目を合わせて笑ったりね」



「吉永、サイテーだな
国語の大野(おおの)が噛んだ時
いつも笑い堪えてたよな」



「水ノだって大野のモノマネしてたじゃん!」



中学の時の国語の大野先生

いつも噛むんだよね

それが私と水ノのツボで
授業中、目を合わせて笑ってた



「アレはもぉ封印しよ
ダメだ
思い出すといつでも笑える」



楽しかったな

あの時


今も引き続き楽しいけど…



「たぶん、同じクラスにはならないよ」



「え?なんで?」



「たぶん…じゃなくて
絶対同じクラスにならない

私ね…こっちにいないから」



「え?」



「転校するんだ」



「え?いつ?誰が?」



「だから…私、3年になったら転校するの」



「え!?
なんで言ってくれなかったんだよ!」



「今、言った
隠してたわけじゃない
この前、親に言われたばっかり
まだ水ノにしか言ってない」



自分は告白されたこと
言わなかったくせにね



言ったら水ノはどんな反応するかな?って
いろんな水ノを想像してみてた

①「ウソだろ」ってあきれる
②冗談だと思って笑う
③ちょっとは寂しがる



「マジ…?」



想像してたよりずっと
水ノは切なそうな顔をした



だから…



「…ウソだよ」



本当だよって言えなかった



「なーんだ!
吉永、そんなウソつくなよ」



水ノがめっちゃホッとした顔をした


その顔を見て泣きそうになった



ウソじゃないよって
すぐ言えなかった



< 158 / 208 >

この作品をシェア

pagetop