この度、友達やめます。

「吉永が、言ってた友達?」



「あ、はい」



宮川さんはやっぱり
想像してたのと違ったって顔をしてた



「じゃ、吉永おつかれ!」



「お疲れ様です
宮川さん、ごちそうさまでした」



宮川さんは空気をよんだのか
水ノに軽く会釈して
ひとりで駅の方に歩いて行った



上司に気を使わせちゃった

休み明け
絶対なんか言われる

冷やかされても
言い訳とか別にない

友達だし



「ごめん…邪魔した」



え?

水ノなんか勘違いしてる?



「ぜんぜん邪魔とかじゃないよ
今のは会社の上司で…
仕事終わったら一緒に飲みに行こう…って…
水ノ、今日来るなら言ってよ!
そしたら迎えに行ってたのに…」



水ノには
必死に言い訳してる



ホントにただの上司で
ぜんぜん邪魔とかじゃなくて

水ノには勘違いされたくなかった



「水ノ、ご飯食べた?
あ、飲みに行く?」



「やっぱり明日来ればよかったね」



絶対勘違いされてる



「水ノ、仕事早く終わらせて来てくれたんでしょ
ありがとう」



きっとビックリさせたかったんだろうな



その気持ち
嬉しいよ



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