この度、友達やめます。
「で?
彼女って私の知ってる子?
同じクラス?
誰?誰?誰?」
学校で水ノが女子と話してるのは
ほぼ見たことない
「早速聞く?」
「もったいぶらないで教えてよ!」
放課後のファミレス
よく水ノとここに来て
他愛もない話をしたりテスト勉強したりしてた
「まぁ飲みなよ」
「また?
今日は何?」
いつも水ノがドリンクバーで
私にミックスジュースを作ってくれる
今日はオレンジジュースがベースかな?
色はわりと美味しそう
溝色みたいな時もあるから
今日はマシ
匂いを嗅ぎながら
ストローに口をつけた
ゲホ…
「オエー!…何これ?
あ、辛!え、何入れた?」
「オレンジジュースにタバスコ」
「オエー!もぉやめてよ!」
水ノはいつも
お腹を抱えて音を出さないで笑う
「色は美味しそうでしょ」
「マッズ!水ノも飲んでみてよ!」
ストローを水ノに向けた
水ノが吸ったストローが
ゆっくりオレンジ色になる
「ん…オレ飲めるかも…
ちょっと野菜ジュース的な…
あ、辛!かれー!」
「ほらね…」
こんなことで笑える
くだらない親友
「吉永、口直しでミルクティー持って来て」
「自分で持って来い!
それ、責任もって飲んでね
激辛野菜ジュース」
「ハイハイ…
吉永のココアちょーだい」
私はいつも1杯目はココアって決めてる
「あ、ダメ
自分で持って来て」
「いーじゃん、ひとくち」
水ノが私のココアのカップに口をつけた
「あつっ!
あ、なおさら辛!」
「仕方ない
アイスミルクティー持ってきてあげる」
「さらにガムシロ足してきて!
増し増しで!」
「ハイハイ…」
いつも一緒にいるから
ハイハイ…っていう口癖も
移っちゃってる
どっちが先に言ってたかも
今となったらわからないくらい
私と水ノは
ずっと一緒にいる