この度、友達やめます。
水ノに彼女ができて1ヶ月ぐらいが経って
水ノとよく来てたファミレスに
水ノは来なくなった
先週
いつもみたいに水ノをファミレスに誘ったら
真剣に断わられた
「ごめん
行けないわ」
「ん?もしかして今日デート?
じゃあ明日は?」
「ごめん
明日も行けない
もぉ行けない」
「え?ファミレスじゃない方がいい?
しばらくカラオケ行ってなかったね
テスト終わったら行こうよ」
「ごめん、吉永」
「ん?」
「吉永と友達やめるわ」
「え…」
「もぉ友達じゃないから」
「うん、私は水ノのこと親友だと思って、る…」
「ごめん、親友でもない
彼女に言われたんだ」
「うん、何を?」
「吉永さんて子と
ふたりで会わないで…って…」
「え…そんな…
私と水ノは
そーゆーのじゃないじゃん!」
「うん…でもダメだから…」
「は?
じゃあ他の友達は?
水ノいっぱい友達いるじゃん
なんで私だけ…
ふたりじゃなければいいの?」
「何人でも
吉永は、ダメなんだ」
「だからなんで?」
「女だから…」
「え、女…
私が?
水ノ、私を女にカウントしてないよね?
だって水ノ、私を男だと思ってたもんね
私…じゃなくて…オレって言えばいいの?
襟足だって刈り上げてるし…
もっと短くしようか?」
いつもならお腹を抱えて笑ってくれるはずなのに
目の前の水ノは1ミリも笑ってなかった
「もぉふたりでは会わないし
学校でも特に用がなかったら話しかけないで」
「え、そんな急に…
目が合ったら
いつもみたいに変顔してもいい?」
「ダメ
LINEも消す」
「え、LINEも?
そんな…
おもしろ写真送れなくなるじゃん
水ノにしかあんな写真共有できないよ」
「ごめん
今までの写真も全部消す
吉永もオレの写真消しといて…」
「別に消さなくても…」
「消して!
彼女が嫌がるから」
水ノ、何言ってんの?
変わっちゃったね
変な宗教入ったみたいに
そんなに彼女のこと大事?
バカじゃないの?
そんなムキになって
大事か…
ずっと欲しかった彼女だもんね
ファミレスで理想の彼女を私に話してた
水ノの顔を思い出した
幸せそうだったよ
それを話してた水ノは
よかったね
今、楽しいの?
彼女の前でも
お腹抱えて笑ってるの?
水ノは友達より彼女を選んだ
当たり前か…
だって彼女はひとりしかいないけど
友達は私じゃなくても
たくさんいる
友達より彼女を選んだわけじゃなくて…
そーだ
私だけハズされた
数いる友達の中から私だけ
私は水ノのこと
ただの友達じゃなくて親友と思ってた
それがこんな形で終わるなんて…
別にケンカしたわけじゃないのにね
「わかった
水ノ、今までありがと
お幸せにね」
水ノはもぉ
私の前で笑うことはないんだ