※彼の姉ではありません


 ……的中してしまった。なんとなく、ずっとは続かないだろうとは予感していたけど、当たらないでほしかった。


「おばあちゃんはどうしたいって?」

「診療所は続けたいって言ってる、でも今までのように患者さんに来てもらうんじゃなくて、往診だけに絞りたいそうだ」


 お父さんは続けて、「もし患者さんが来たとしても対応できるようにしておきたい」とおばあちゃんの考えを教えてくれた。


「それで、予算というか資金はどうなの? 上手くいきそう?」

「……正直、難しい状況だな」

「閉めるにしてもお金かかるしね……」


 おばあちゃんの願い通りにできるのが一番いいんだけど、もし閉めないといけなくなってもお金は必要になる。

 なにかするためには、お金の問題はどうしてもつきまとってくる。今の私みたいに。


「いつまでに決めないといけないの?」

「少なくとも今年中だな」

「そう、お父さんはどう考えてるの?」


 私が訊くと、お父さんは私と同じで「おばあちゃんに協力したい」としっかりした声で返された。


「わかった、身体には気をつけてね」

「ああ、お前も落ちついたら、一度くらい帰ってこいよ」

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