ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~
バーラウンジを抜けるとお茶と簡単な食事のとれる軽食コーナーがある。
バイキングとは言えメニューはとても豊富で、野菜もフルーツも新鮮。それだけで十分に食事が済ませられそうな品が並んでいる。
しかし、私はここで食事をするつもりは無い。
この先にはダイニングがあり一流レストラン並みの食事が提供されるのを知っているからだ。

「それにしても豪華ね」

煌びやかな雰囲気にキョロキョロと辺りを見ていたら、
ドンッ。
誰かにぶつかった。

sorry(すみません)
No, I'm sorry(こちらこそすみません)
おそらく私がぶつかったはずなのに、逆に謝られ顔を上げる。

「「あっ」」
目があって2人の声が重なった。
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