ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~
「じゃあ、乾杯」
「乾杯」
テーブルにつき、改めてシャンパンで乾杯をする。
前菜にはキャビアとトマトの冷製スープをいただいた。
「ところで、僕はハサンって言うんだが、君の名前を聞いてもいいかな?」
「ああ、私は凪です」
「なぎ?」
「はい、夕凪のなぎです。変わっているでしょ?もともと海が好きだった父がつけたんです。ちなみに姉は紺碧の碧であおです」
「良い名前だね」
自分の名前を私も姉も気に入っているし、自然豊かなふるさとの海だって大好きだ。
ただ、実家が離島の田舎町だから、出来たらもう少し東京に残りたい気持ちは強い。
「僕は祖母がこちらの人間でね、言うなればクウォーター。だから名前は向こうの名前がついているんだ。ちなみにハサンは『美しい』とか『善良な』って意味があるらしい」
「へー、素敵ですね」
その後、私達はおいしい料理を囲みながら会話も弾んだ。
『ハサンさん』と呼ばれることが嫌だという彼の希望で、『なぎ』『ハサン』と呼び合うことに決めた。
ハサンは東京に住むビジネスマンで、私と同い年の25歳。
今回は親せきのお祝い事でカタールを訪れたのだそうだ。
やはりこちらに縁の人だったと聞き妙に納得してしまった。
日本人よりも少しワイルドで、エキゾチックな雰囲気はやはり中東の血らしい。
そして、一緒に食事をしてみてハサンがとっても育ちのいいお坊ちゃんだとわかった。
身のこなしも優雅だし、テーブルマナー完璧で食べ方もきれい。
要所要所で見せる私や周囲への気遣いもとってもスマートで、本当にどこかの王子様のようだ。
「乾杯」
テーブルにつき、改めてシャンパンで乾杯をする。
前菜にはキャビアとトマトの冷製スープをいただいた。
「ところで、僕はハサンって言うんだが、君の名前を聞いてもいいかな?」
「ああ、私は凪です」
「なぎ?」
「はい、夕凪のなぎです。変わっているでしょ?もともと海が好きだった父がつけたんです。ちなみに姉は紺碧の碧であおです」
「良い名前だね」
自分の名前を私も姉も気に入っているし、自然豊かなふるさとの海だって大好きだ。
ただ、実家が離島の田舎町だから、出来たらもう少し東京に残りたい気持ちは強い。
「僕は祖母がこちらの人間でね、言うなればクウォーター。だから名前は向こうの名前がついているんだ。ちなみにハサンは『美しい』とか『善良な』って意味があるらしい」
「へー、素敵ですね」
その後、私達はおいしい料理を囲みながら会話も弾んだ。
『ハサンさん』と呼ばれることが嫌だという彼の希望で、『なぎ』『ハサン』と呼び合うことに決めた。
ハサンは東京に住むビジネスマンで、私と同い年の25歳。
今回は親せきのお祝い事でカタールを訪れたのだそうだ。
やはりこちらに縁の人だったと聞き妙に納得してしまった。
日本人よりも少しワイルドで、エキゾチックな雰囲気はやはり中東の血らしい。
そして、一緒に食事をしてみてハサンがとっても育ちのいいお坊ちゃんだとわかった。
身のこなしも優雅だし、テーブルマナー完璧で食べ方もきれい。
要所要所で見せる私や周囲への気遣いもとってもスマートで、本当にどこかの王子様のようだ。