ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~
搭乗ゲートが開き、ファーストクラスは優先搭乗だからとまだ誰も乗客のいない飛行機に私が一番に乗り込んだ。
「halo」
当然のように、クルーたちも笑顔で迎えてくれる。
深夜一時過ぎになのに眠たくなることもなく、私は予約してあった最前列の窓際の席に座った。
ファーストクラスの座席は全部で8席。
窓際に1席ずつと中央に2席の計4席が2列配置された贅沢な空間。
それぞれの席には扉があり、閉めればプライバシーも守られる造りとなっている。
「やっぱり窓際にしてよかったわ」
今はまだ暗闇で何も見えないけれど、天気が良ければ綺麗な朝焼けが見えるかもしれない。
私は秘かにそんな期待をした。
その時、
「凪?」
不意に背後から声がかかった。
え、ええ?
その声には聞き覚えがあって、私の動きが止まる。
「おい、凪だろ?」
出来ることなら他人の空似で逃げたいところだけれど、こう何度も呼ばれたんでは無視することもできない。
私は諦めて体の向きを反転させた。
「お久しぶりね」
「ああ、3年ぶりだな」
「ええ」
私に声をかけてきたのは大学時代付き合っていたお金持ちの元カレ。
なしくずしのまま別れた因縁の人。
出来ることなら、今この状況では会いたくない人だった。
「halo」
当然のように、クルーたちも笑顔で迎えてくれる。
深夜一時過ぎになのに眠たくなることもなく、私は予約してあった最前列の窓際の席に座った。
ファーストクラスの座席は全部で8席。
窓際に1席ずつと中央に2席の計4席が2列配置された贅沢な空間。
それぞれの席には扉があり、閉めればプライバシーも守られる造りとなっている。
「やっぱり窓際にしてよかったわ」
今はまだ暗闇で何も見えないけれど、天気が良ければ綺麗な朝焼けが見えるかもしれない。
私は秘かにそんな期待をした。
その時、
「凪?」
不意に背後から声がかかった。
え、ええ?
その声には聞き覚えがあって、私の動きが止まる。
「おい、凪だろ?」
出来ることなら他人の空似で逃げたいところだけれど、こう何度も呼ばれたんでは無視することもできない。
私は諦めて体の向きを反転させた。
「お久しぶりね」
「ああ、3年ぶりだな」
「ええ」
私に声をかけてきたのは大学時代付き合っていたお金持ちの元カレ。
なしくずしのまま別れた因縁の人。
出来ることなら、今この状況では会いたくない人だった。