ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~
「バーカ」
CAさんが去った後、私に向けて言い放った元カレ。
何、私が悪いわけ?
ちょっかい出してきたのはあなたの方でしょう。そう言いたいけれど、止めておこう。
言えば言うだけ墓穴を掘りそうだ。
「How about?」
「thank you」
CAさんがデーツとアラビックコーヒーをサービスしてくれたので、遠慮なく手を出した。
うん、やっぱり美味しい。これぞ現地の味。
ドライフルーツのナツメヤシと手のひらに収まるくらいの小さなカップで提供されるアラビックコーヒーは、ホテルでも何度か口にしていてその味にもたいぶ慣れた。
日本では口にすることのないデーツを食べながら、私は窓の外を見つめる。
「それで、お前本当に一人できたのかよ」
もう、まだ言っているわ。
私は通路に背を向けたまま、聞こえないふりをする。
豪華でゆったりとした広い座席。
オレンジジュースと共に出てきた温かいナッツをつまみながら、フッと息をついた。
CAさんが去った後、私に向けて言い放った元カレ。
何、私が悪いわけ?
ちょっかい出してきたのはあなたの方でしょう。そう言いたいけれど、止めておこう。
言えば言うだけ墓穴を掘りそうだ。
「How about?」
「thank you」
CAさんがデーツとアラビックコーヒーをサービスしてくれたので、遠慮なく手を出した。
うん、やっぱり美味しい。これぞ現地の味。
ドライフルーツのナツメヤシと手のひらに収まるくらいの小さなカップで提供されるアラビックコーヒーは、ホテルでも何度か口にしていてその味にもたいぶ慣れた。
日本では口にすることのないデーツを食べながら、私は窓の外を見つめる。
「それで、お前本当に一人できたのかよ」
もう、まだ言っているわ。
私は通路に背を向けたまま、聞こえないふりをする。
豪華でゆったりとした広い座席。
オレンジジュースと共に出てきた温かいナッツをつまみながら、フッと息をついた。