ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~
渡されたカラックチャイは、中東でよく飲まれるスパイシーなミルクティー。
気温の高い現地でも、室内は冷房が効いていて涼しいことが多く、温かい飲み物はやはりホッとできる。
「美味しい」
私は一つ息をついいて、肩の力を抜いた。
成田までの飛行時間は約11時間。
この長い時間を重たい空気のまま過ごすと思うと気がめいりそうだけれど、せっかく高いお金を払って乗り込むのだから精一杯楽しもう。
私は気を取り直して、ハサンから差し出された機内食のメニューに目を落とした。
「メニューは基本アラカルトだから、ワインに合いそうなものを選ぼうか?」
「ええ、さっきラウンジでもたくさん食べたので軽いものを」
ファーストクラスの機内食はクオリティーも高いからラウンジでは食べ過ぎないようにと思っていたのに、気が付けばお腹はほぼ一杯の状態。
それでもせっかくだから、少しだけ頂こう。
「人の金で、本当にいい身分だよな」
やはりこちらの会話は聞こえているようで、また元カレの声がした。
チラッ。
元カレの声に反応して、ハサンが私を見る。
コクン。
私は大丈夫だからの思いを込めて小さくうなずくしかなかった。
気温の高い現地でも、室内は冷房が効いていて涼しいことが多く、温かい飲み物はやはりホッとできる。
「美味しい」
私は一つ息をついいて、肩の力を抜いた。
成田までの飛行時間は約11時間。
この長い時間を重たい空気のまま過ごすと思うと気がめいりそうだけれど、せっかく高いお金を払って乗り込むのだから精一杯楽しもう。
私は気を取り直して、ハサンから差し出された機内食のメニューに目を落とした。
「メニューは基本アラカルトだから、ワインに合いそうなものを選ぼうか?」
「ええ、さっきラウンジでもたくさん食べたので軽いものを」
ファーストクラスの機内食はクオリティーも高いからラウンジでは食べ過ぎないようにと思っていたのに、気が付けばお腹はほぼ一杯の状態。
それでもせっかくだから、少しだけ頂こう。
「人の金で、本当にいい身分だよな」
やはりこちらの会話は聞こえているようで、また元カレの声がした。
チラッ。
元カレの声に反応して、ハサンが私を見る。
コクン。
私は大丈夫だからの思いを込めて小さくうなずくしかなかった。