ファーストクラスの恋 ~砂漠の王子さまは突然現れる~
機内食はせっかくだからと現地のお料理を中心にケバブやひよこ豆を使ったクムス、コロッケに似たお料理のファラヘルなどを頂いた。

「もう少しワインを飲むかい?」
「いいえ。もうお腹がいっぱい」

気圧の関係と、普段からワインを飲み慣れていないせいでかなり酔いが回ってしまった。
これ以上の飲むと酔っぱらいそうだから止めえといたほうがよさそう。
それに、楽しみにしていたデザートが入るスペースもない。

「時間はまだあるから、少し眠って起きてからまた食べようか」
「そうね」

確かにハサンの言う通り。
何でも一度に食べようと思うのは私の悪い癖かもしれない。

「それじゃあ僕は着替えてくるよ」

航空会社から提供されたパジャマを持ってレストルームに向かって行くハサン。
その行動ひとつとっても、やはり彼は旅慣れている印象だ。
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