約束してね。恋をするって
「この向こうに、私の家があるの」

 藍はそう言って、先日藍が消えていった道の先を示した。

「へえ。行ったことないけど、この道って裏に出られたんだ」

 陽介が視線を戻せば、藍はまた熱心にレンズを覗き込んでいる。


「見えない」

「はずれちゃった? ちょっと待って」

 陽介は、一歩下がった藍の代わりにレンズをのぞきこむが、さっきまで見えた光点はもうなかった。

「んー、どっちにしろフォーマルハウトは消えちゃったな。他のも何か見てみる?」

 こくり、と藍がうなずいた。陽介は一度空を見上げると、望遠鏡を動かして上を向けた。

「ほら」


 のぞきこんだ藍の目が、わずかに大きくなるのを陽介は見た。そして一度空を見上げてから、もう一度覗き込んだ。

「アンドロメダ星雲?」

「そう! よくわかったな」

 陽介は、息を弾ませて言った。
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