約束してね。恋をするって
第五章 最後の約束
「ただいま!」
修学旅行から帰った陽介は、声をかけるなり自分の部屋へと飛び込んだ。荷物を放り出して、急いで着替える。
藍は、昨日の夜病院へ行ったままついに戻ってこなかった。高木に木暮の事を聞いたが、『心配ない』というだけで詳しいことは教えてもらえなかった。生徒の一人が体調を崩して養護教諭が同行している、とだけ生徒には伝えられた。すぐにそれが藍だということは生徒たちにも察しがついたが、彼女がよく倒れていたこともあって、生徒たちにそれほど動揺は広がらなかった。
藍本人には、連絡を取るすべがない。木暮はスマホを使っていたが、陽介はその連絡先を知らない。一応担任にも連絡先を教えて欲しいと聞いてみたが、当然のごとく断られた。だから藍の様子を知るには、もう直接藍の家に行ってみるしかなかった。
場所は知らない。けれど、藍とよく星を見たあの霊園の四阿。あの道の向こう、歩いて5分くらいのところに藍の家があると言っていた。
上着を着ながら時計を見ると、夜の7時を過ぎたところだった。
(家に押しかけるには、まだ遅くはないな)
仮に藍がいなくても、家族の誰かがいれば様子を聞くことができるかもしれない。
修学旅行から帰った陽介は、声をかけるなり自分の部屋へと飛び込んだ。荷物を放り出して、急いで着替える。
藍は、昨日の夜病院へ行ったままついに戻ってこなかった。高木に木暮の事を聞いたが、『心配ない』というだけで詳しいことは教えてもらえなかった。生徒の一人が体調を崩して養護教諭が同行している、とだけ生徒には伝えられた。すぐにそれが藍だということは生徒たちにも察しがついたが、彼女がよく倒れていたこともあって、生徒たちにそれほど動揺は広がらなかった。
藍本人には、連絡を取るすべがない。木暮はスマホを使っていたが、陽介はその連絡先を知らない。一応担任にも連絡先を教えて欲しいと聞いてみたが、当然のごとく断られた。だから藍の様子を知るには、もう直接藍の家に行ってみるしかなかった。
場所は知らない。けれど、藍とよく星を見たあの霊園の四阿。あの道の向こう、歩いて5分くらいのところに藍の家があると言っていた。
上着を着ながら時計を見ると、夜の7時を過ぎたところだった。
(家に押しかけるには、まだ遅くはないな)
仮に藍がいなくても、家族の誰かがいれば様子を聞くことができるかもしれない。