約束してね。恋をするって
第二章 それぞれの嫉妬
「終わった終わった!」

 ホームルームが終わると、諒が思い切り伸びをした。



「陽介、帰り遊びにいかね? うちのクラブ、今日休みなんだ」

「あ、俺クラブ」

「あー、活動日か。残念。そういや、さっきホームルームの前に、職員室に呼び出されてたのなんだったんだ?」

「ああ、あれな」

 陽介は、照れくさそうに笑った。



『どうした、宇津木』

 職員室に入ると、担任の高木が心配そうに声をかけた。

『こないだの中間テスト、前回に比べて全体的に点が落ちているだろう。学年順位が一気に20番も落ちたぞ。何かあったのか』

 高木に示された成績表を見ながら、心当たりのある陽介は元気に答えた。

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