「みんなで幸せになると良いよ。」
『そうです!野田 啓一です。知ってるんですか?』

知ってるもなにもヒイラギは野田を愛していて、愛して欲しいと走り回っていた。

喜んだような、驚いたような、そんな態度を見せる母親とは逆に表情のないヒイラギの顔は固く強張り、飲み込む唾の音が聞こえてきそうだった。
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