「みんなで幸せになると良いよ。」
ヒイラギが

『知ってるも何も同じサークルでしたから。』

「同じサークル」という言葉にすべてをしまいこんで
無駄な詮索をさせないようにバリケードを張った。
それを感じ取った僕がさらに進入禁止のテープを張る。


「野田さんのこと…知ってますよね?」

『あっ、はい。色々あって亡くなったって…。』


色々?


野田さんのこと知らないのは僕の方だ。


「じゃぁ、なんで彼を探しに来られたんですか?勿論、居ないですよ。」


質問の後にふざけたことをつけたのには僕なりにきちんと意味があった。
冗談めいたものを挟んだり、最後にくっつけると重い話題も話しやすくなる。


作戦的中。


『わかってますよ、勿論。

正しくは『野田のことを知ってる人』を探してたんです!』
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