「みんなで幸せになると良いよ。」
いつもみたいにプラットホームに立って電車を待ってた。
いつもと違うことがあるとすれば、黄色い線を意識しなかったこと。
電車の1両目が遠くに見えると吸い込まれるようにふらっ前に歩いたの。朝の駅で光なんて射すわけもないんだけど、でも確かにあったの。手招きされてるような感覚。
すべてがスローモーションなんだけど、光しか無いの。ごった返すホームで私の視線には光だけ。電車も意識してなかったから、存在しなかったわ。
力っていうものがすべて抜き取られて、私自身も光に同化していきそうな感じ。
『あぁ楽になれる…。』そんな風に感じて、ただ幻覚を見ていたのかもしれないわ。
前の足は黄色い線の向こうに完全に越えてた。
そのとき右手首をぐいっと後ろに引かれたの。心地いい温度を感じた。前に進めなくなった私は夢から覚めてすぐみたいに視界が曖昧だった。
何秒間かぼぅっと温度の持ち主を見たわ。背の小さい男の子だった。勿論初対面だから驚いたわ。たぶん、高校生でそんなに顔も格好良くなかった。
いつもと違うことがあるとすれば、黄色い線を意識しなかったこと。
電車の1両目が遠くに見えると吸い込まれるようにふらっ前に歩いたの。朝の駅で光なんて射すわけもないんだけど、でも確かにあったの。手招きされてるような感覚。
すべてがスローモーションなんだけど、光しか無いの。ごった返すホームで私の視線には光だけ。電車も意識してなかったから、存在しなかったわ。
力っていうものがすべて抜き取られて、私自身も光に同化していきそうな感じ。
『あぁ楽になれる…。』そんな風に感じて、ただ幻覚を見ていたのかもしれないわ。
前の足は黄色い線の向こうに完全に越えてた。
そのとき右手首をぐいっと後ろに引かれたの。心地いい温度を感じた。前に進めなくなった私は夢から覚めてすぐみたいに視界が曖昧だった。
何秒間かぼぅっと温度の持ち主を見たわ。背の小さい男の子だった。勿論初対面だから驚いたわ。たぶん、高校生でそんなに顔も格好良くなかった。