「みんなで幸せになると良いよ。」
運転手は「うぅっ…」と呻き声をあげている。左腕の間接が逆に曲がっていて痛そうだ。

『ごめんなさい。』運転手に向かって言った。

母親の財布と携帯を取った。


『もしもし、相川佐紀です。育ててくれてありがとう、相川家の人間を殺してしまうまえに、私が自分で死にます。今までありがとう、さようなら。』


父親の携帯の留守電に『遺言』を残した。




『相川佐紀』を私は殺したの。
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